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五十肩を放置すると何が起きるのか?

  • 6月10日
  • 読了時間: 5分


50代~70代が知っておきたい「肩の痛み」と健康寿命の関係


肩が上がらない。服を着るのがつらい。夜中に肩が痛くて目が覚める。

50代以降になると、このような症状を経験する方が増えてきます。


一般的に「五十肩」と呼ばれる症状ですが、「そのうち治るだろう」と様子を見る方も少なくありません。


確かに時間の経過とともに症状が落ち着くケースもあります。しかし、五十肩をきっかけに活動量が減少し、筋力や筋量の低下、さらには健康寿命へ影響を及ぼすこともあります。

今回は五十肩を単なる肩の問題として捉えるのではなく、「健康寿命」という視点から考えてみましょう。


五十肩とは何か?


五十肩とは一般的な呼び方で、医学的には「肩関節周囲炎」と呼ばれます。


肩関節の周囲に炎症が起こり、

  • 肩の痛み

  • 可動域の制限

  • 夜間痛

  • 日常生活動作の障害

などが生じる状態です。


50代を中心に発症することが多いため五十肩と呼ばれますが、60代や70代でも発症します。


ただし肩の痛みには様々な原因があります。

  • 腱板損傷

  • 石灰沈着性腱炎

  • 頚椎疾患

  • 神経障害

などが隠れていることもあるため、強い痛みや長期間続く症状がある場合は医療機関への相談が推奨されます。


五十肩を放置すると何が起きるのか?


①肩を動かさなくなり関節が硬くなる

痛みがあると自然と肩をかばいます。


すると肩関節を動かす機会が減り、

  • 関節包

  • 筋肉

  • 靭帯

などが徐々に硬くなります。


本来動く範囲が狭くなることで、

  • 髪を結ぶ

  • 洗濯物を干す

  • 高い棚の物を取る

といった動作が難しくなります。


特に高齢になるほど、動かさないことで生じる可動域低下は回復に時間がかかる傾向があります。


②筋力低下が進む

肩を使わなくなると最初に起きるのが筋力低下です。

筋肉は使わなければ衰えます。


特に肩周囲には、

  • 三角筋

  • 棘上筋

  • 棘下筋

  • 前鋸筋

  • 僧帽筋

など姿勢や腕の動きに重要な筋肉があります。


研究では筋力低下は数週間の活動量低下でも始まることが報告されています。


「肩だけの問題」と思われがちですが、

  • 荷物を持たない

  • 腕を振って歩かない

  • 家事を避ける

など生活全体の活動量が落ちるため、全身の筋力低下へつながる可能性があります。


筋量の減少とサルコペニアのリスク


50代以降では加齢による筋量減少が始まります。


これを放置すると、

サルコペニア

と呼ばれる状態へ進行する可能性があります。


サルコペニアとは、

「加齢に伴う筋量・筋力の低下」

を指します。


五十肩によって活動量が落ちると、

  • 歩く距離が減る

  • 外出頻度が減る

  • 運動習慣がなくなる

といった悪循環が生まれます。


その結果、

  • 下半身筋力低下

  • バランス能力低下

  • 転倒リスク増加

につながることがあります。


肩の痛みから始まった問題が、やがて全身の衰えへ波及していくのです。


循環機能への影響

意外かもしれませんが、肩の痛みは循環にも影響します。


筋肉が動くことで、

  • 血液循環

  • リンパ循環

が促進されます。


しかし五十肩で身体を動かさなくなると、

全身の筋活動量が低下します。


すると

  • 血流低下

  • 冷え

  • むくみ

  • 疲労感

などを感じやすくなることがあります。


特に高齢者では運動不足による循環機能低下が生活習慣病リスクの増加とも関連しています。

肩の痛みを理由に身体を動かさなくなることは、想像以上に全身へ影響を及ぼします。


姿勢の崩れが全身へ広がる


肩が痛いと無意識に肩をすくめたり、背中を丸めたりします。


その結果、

  • 猫背

  • 円背姿勢

  • 頭部前方位

が強くなります。


姿勢が崩れると、

  • 呼吸が浅くなる

  • 首こり

  • 腰痛

  • 疲れやすさ

なども生じやすくなります。


実際に肩の可動域制限と姿勢変化には関連があることが知られています。


つまり五十肩は肩だけではなく、

「身体全体の使い方」

を変えてしまう可能性があるのです。


外出機会の減少と健康寿命


健康寿命とは、

「介護を受けず自立して生活できる期間」

を意味します。


日本人の平均寿命と健康寿命には約10年前後の差があるとされています。


健康寿命を延ばすために重要なのが、

  • 身体活動

  • 社会参加

  • 運動習慣

です。


しかし五十肩で痛みが続くと、

  • 趣味をやめる

  • 運動をやめる

  • 外出が減る

という状態になりやすくなります。


実際、多くの研究で身体活動量の低下は、

  • フレイル

  • サルコペニア

  • 要介護リスク

との関連が報告されています。


肩の痛みそのものが健康寿命を縮めるのではなく、

「肩の痛みをきっかけに活動量が落ちること」

が問題なのです。


「年齢だから仕方ない」は危険


50代以降の方からよく聞く言葉があります。

「歳だからしょうがないよね」

しかし年齢だけが原因ではありません。


適切な時期に

  • 痛みを評価する

  • 身体を動かす

  • 運動習慣を維持する

ことで改善が期待できるケースも多くあります。


もちろん症状や原因によって対応は異なるため、一律に同じ方法が有効とは限りません。

自己判断だけで無理な運動を行うのではなく、専門家へ相談しながら進めることが大切です。


健康寿命を守るために大切なこと


五十肩で最も避けたいのは、

「痛いから何もしない」

という状態です。


健康寿命の観点から見ると、

重要なのは肩そのものよりも、

活動量を維持すること

です。

  • 散歩を続ける

  • 軽い体操を行う

  • 下半身の筋力を維持する

  • 趣味を継続する

  • 人との交流を続ける

これらは肩の症状があっても工夫次第で継続できることが多くあります。

身体は使うことで維持されます。


逆に使わない時間が長くなるほど、筋力・筋量・循環機能は低下していきます。


まとめ

五十肩は単なる肩の痛みではありません。

放置することで、

  • 肩関節の可動域低下

  • 筋力低下

  • 筋量減少

  • 循環機能低下

  • 姿勢の崩れ

  • 活動量低下

につながる可能性があります。


そしてその先には、

  • フレイル

  • サルコペニア

  • 健康寿命の短縮

という問題も見えてきます。


肩の痛みがあるからこそ、身体全体の健康を見直すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。


50代、60代、70代からでも身体は変化します。肩の不調を「年齢のせい」と片付けるのではなく、これからの人生をより長く元気に過ごすためのサインとして捉えることが、健康寿命を延ばす第一歩になるかもしれません。


 
 
 

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